qpopper
メール関連
qpopper とは
qpopper は POP3 サービスを提供するアプリケーションです。
認証情報を暗号化する APOP や OpenSSL を利用することにより全通信を暗号化する POP3S にも対応可能です。
インストール
qpopper4.0.9 の例です。
まず、Qpopper Home Page よりアーカイブを取得し、展開します。
% gzip -dc qpopper-4.0.9.tar.gz | tar xvf - % cd qpopper-4.0.9
あとは、お決まりのパターンです。
% ./configure % make % su # make install
設定
qpopper はデーモンとして常駐させる他にも inet サービスとして稼働させることも可能です。
どちらにするかはアクセス数等にもよるのですが、ここでは xinetd 経由で起動させることにします。
xinetd.conf に以下のような記述を追加します。
service pop3 { socket_type = stream wait = no user = root server = /usr/local/sbin/popper log_on_failure += USERID }
上記で、server_args = :1110 を追加すると、POP3 サービスを行うポート番号を指定できます。(この場合、1110 番となる)
追加したら、設定を反映させるために xinetd に設定を再読み込みさせます。
# /etc/init.d/xinetd reload
これで xinetd 経由で POP3 サービスが行われます。
APOP 対応
APOP 対応するには configure 時に以下のような指定を行います。
% ./configure --enable-apop=/etc/pop.auth --with-popuid=apop
--enable-apop により APOP 機能を有効にし、APOP 認証で使用する認証ファイルを指定します。
また、--with-popuid=apop で認証ファイルのオーナーを指定します。
あとは、通常の qpopper のインストールと同様です。
ユーザー作成
qpopper の APOP 認証では独自の認証ファイルを使用するので、このファイルに対してユーザーを登録する必要があります。
ユーザーを登録するには root で以下のコマンドを実行します。
# popauth -user username
もしくは、認証情報を登録したいユーザー自らが、
% popauth
POP3S 対応
POP3S 対応を行うには、OpenSSL をインストールしておく必要があります。
その上で、configure 時に以下のようにオプションを指定します。
% ./configure --with-openssl --without-pam
あとは、通常のインストールと同様ですが、POP3S を使用する場合には暗号化方式等 POP3S 特有の設定を行う必要があるので、設定ファイル(例えば /usr/local/etc/qpopper.conf とする)を以下のように作成します。
set clear-text-password = ssl # 平文のパスワードを TLS/SSL 接続の際にのみ有効とする set tracefile = /var/log/pop3s.log # POP3S のログファイル指定 set tls-support = alternate-port # 代わりのポート(995)にて POP3S サービスを行う set tls-private-key-file = /home/Project/CA/server.key # POP3S サービス用秘密鍵 set tls-server-cert-file = /home/Project/CA/server.crt # POP3S サービス用証明書
秘密鍵、および証明書の作成方法については、OpenSSLを参照。
また、xinetd.conf の設定は以下のようにします。
service pop3s { socket_type = stream wait = no user = root server = /usr/local/sbin/popper server_args = -s -R -f /usr/local/etc/qpopper.conf log_on_failure += USERID
}
xinetd に再読み込みさせるとサービスが有効となります。