ダイイング・アイ

最終更新日時:2011-04-22 16:13:43
東野圭吾



あらすじ:
雨村慎介は仕事帰りに何者かに頭を殴打され、記憶を一部喪失してしまう。
慎介は自分が過去に死亡事故を起こしたことを知らされるが覚えていない。
記憶を取り戻そうと自分が起こした事故の状況を調べるが、以前の自分が何を考えて行動していたのか思い出せないでいた。
しかし、慎介が事故を調べるにつれて、慎介の周りでは徐々に怪しい動きが。。。
謎の女、瑠璃子が登場し、同居していた女が失踪する。

感想:
まず、プロローグ。グロいです(/_\*)
死ぬ間際の描画がリアルすぎて気持ち悪い。
とはいえ、ここの描画がこの作品にとってはかなり重要な部分ではあるので、さすがというべきか。
これがもちろん主人公である慎介が起こした事故になるわけで、ここからは慎介目線で事故の真相に迫ることになる。
事故に関する部分だけ記憶がないというのはちょっとご都合主義だが、個人的には部分的に記憶喪失になったことがあるので気になりませんでした(/_\*)
ま、そういう設定だとすればありでしょう。
そして中盤までで事故の概要と登場人物が見えてきます。
このあたりまでは、さすが東野圭吾。おもしろくて次の展開が気になり、ついつい読み進めてしまいます。
しかし、後半。一気に怖くなりますwww
なんというかいわゆるオカルトものというかホラーというか。
東野圭吾はこういった超常現象的なものでもそれなりの科学根拠を元に書いていた印象があるのですが、今回はちょっと説得力が薄いような気が。。。
そういった意味で、後半はやや残念。
全体的にはおもしろかったのだが、納得がいかないというか。
読者に読ませるストーリーや文章力は素晴らしかっただけに残念。
しかも、ラストもそれはないだろう、、、という感じ(-_-#
ダイイング・アイというタイトルは秀逸だと思うんだけどね~

**以下ネタバレ有り**

いわゆる超常現象がいくつかのキーポイントとなっている本作品。
最初の死ぬ間際の視線、ダイイング・アイによって、上原ミドリがおかしくなってしまうのは個人的には受け入れられる。
実際にこんなことがあったら平静でいられるのはまず無理だし、気が狂ってもおかしくない。
また、そう思わせるだけの描写がプロローグでされていたし。
しかし、瑠璃子の催眠術はまったくの非現実で納得がいかない。
催眠術をどうしても使いたいのであれば、その辺の伏線を張って欲しかったところ。
東野圭吾はそういったところは上手いはずなのだが。。。。

あとは、瑠璃子の行動が意味不明。
結局何がしたかったのかよく分からんし。
だいたい、なんでセックスしまくるのかまったく不明(笑)
岸中玲二のマネキンの話も、結局あきらめたのはいいが、上原ミドリを美菜絵だと思いこむのは無理があるだろう。

さらに言えば、小塚刑事とか成美がどうやって殺されたのか、、が省かれているし、東野圭吾のいつもの全てのピースが収まるといった感覚が味わえないのが残念。
ラストもなんかものすごくあっさりと終わっちゃったし。
全体的におもしろかっただけにホント残念。


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